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2018年11月26日更新
博士後期課程3年(日本学術振興会特別研究員 DC2・JST ACT-I 情報と未来領域研究者)の黒木菜保子さん(森寛敏研究室)が、2018 年11月19〜21日にシンガポールで開催されたAOC7-GSC (7th Asia-Oceania Conference on Green & Sustainable Chemistry) にて、 GREEN Chemistry Poster Prize を受賞しました。
地球環境・社会・経済的課題がグローバル化・複雑化する状況下で、より健康で豊かな社会の持続的発展を促進するために、これまでの化学製品の製造を中心とする考え方だけでなく、消費者・産業・学・官・国等の枠組みを超えたグローバルな連携と協調によって諸課題を解決していこうとする、グリーンサステイナブルケミストリー(GSC) の考えが広がっています。この考えは、2015年7月に開催されたGSC東京国際会議(GSC-7)において、東京宣言2015に結実しているものです。
今回黒木さんは、公益財団法人 新化学技術推進協会(JACI)の支援下、上記背景をもつ環境化学・サステイナブルケミストリー分野の国際会議 AOC7-GSC に参加しました。同会議は、先端的な実験・理論的アプローチにより未来の地球環境・エネルギー科学に関わるテーマについて総合的に討論する学会です。黒木さんは、比較的簡便な量子化学計算から得られる有機分子イオンの特性をデータベース化、さらにそのデータベース解析に機械学習の手法を応用することで、CO2吸収特性に優れたイオン液体を迅速提案するシステムを開発する研究を推進しており、今回、その研究成果により受賞をしました。(3/39件; 受賞対象はPD を含み、日本人は1名)。また、同会議で、森寛敏准教授(JST さきがけ マテリアルズ・インフォマティクス領域研究者)も、統計熱力学と機械学習の手法を組み合わせた、高い冷却効率とオゾン層非破壊性を併せもつ混合冷媒の迅速設計に関する講演を行い、当該分野における先進的な取り組みとして注目を浴びました。
AOC7-GSC (7th Asia-Oceania Conference on Green & Sustainable Chemistry)
JACI グリーンサステイナブルケミストリーネットワーク