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2011年12月27日更新
2011年12月20日から22日まで、韓国の梨花女子大学校において、韓国梨花女子大学校と日本女子大学および本学の3大学の理系大学院学生の交流を目的とした「日韓3女子大学交流合同シンポジウム」が昨年度に引き続き開催されました。本学からは、文部科学省特別経費「女性リーダーを創出する国際拠点の形成」事業の支援を受けて、20名の大学院学生と4名の教員が参加しました。
シンポジウムでは、各大学から参加した学生が、研究内容や研究成果について英語でプレゼンテーションを行いました。
本学からの世話人として、昨年から引き続き参加している生物学科由良敬教授に今回のシンポジウムの様子について報告してもらいました。
由良 敬(ゆらけい)
お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科
研究院 先端融合部門 先端融合系 教授
生命情報学教育研究センター センター長
(理学部生物学科)
昨年度に引き続き、理系大学院生の英語による研究発表能力の鍛錬、海外での研究会参加の訓練、および日韓女子大学の友好関係構築を目的として、2011年12月20 日~22日の3日間、日本女子大学大学院理系学生、本学大学院理系学生、および両学教員の総勢31名で韓国梨花女子大学校を訪れ、第2回日韓3女子大学交流合同シンポジウムを開催した。本来は7月に行う予定であったが、3月の大震災の影響で、開催を延期した。8月ごろに今年の12月に開催することを決定したのち、急遽開催の準備を進めたため、一時は本当に開催できるのか危惧したこともあった。第2回目となるが、今回は開催ができたこと自体が非常に喜ばしく感じられた。
細かい点でのトラブルはいろいろと発生したが、シンポジウムはスムーズに展開し、梨花女子大側の準備に対するご努力には敬服した。初日は学生交流会、2日目は化学生物系と情報数学物理系のふたつに分かれての口頭発表会、3日目はポスターセッションと学内ツアーであった。梨花女子大学校の宣伝ビデオは、今回もハリウッドの映画並みの新しいビデオ映像であり、広報にかなりの力を注いでいることを見せつけられた。昨年度は学生間の交流があまりうまく行っていなかったということを受けて、今回は学生が主催した学生交流セッションを初日に設定した。セッションの運営を完全に学生に任せたことは成功だったと思う。このイベントのおかげで日韓の学生はシンポジウムを通して、非常によく話をしていたように見受けられた。第2日目の発表においては、日韓両学生が互角のレベルで研究発表をしていた。昨年度は、梨花女子大の学生が、日本の学生諸君に比べて、研究発表に非常に慣れていると感じたが、今回はそのようなことはなかった。日々の鍛錬の重要性を再認識させられた次第である。しかし、日韓いずれの学生も、発表に対して質問をする力がまだまだ不足している様子であった。口頭発表に対する学生からの質問がほとんどなかったのが残念である。第3日目のポスター発表では、日韓の学生および教員が各自のポスターの前で、討論している様子があちらこちらで見受けられたのはよかった。このような議論を通して、教員間の交流もまた深まっていくことが期待できる。ここからぜひとも日韓の共同研究が生まれてほしいと感じる。
今回のシンポジウムでは、学生間の交流と各自の研究を英語で他分野の研究者に紹介することができるようになることを目標としてきた。日本女子大学および本学の学生諸君は、秋から行っていた発表練習の甲斐もあり、自身の研究内容を梨花女子大の学生に負けることなくうまく発表できていた。学生諸君を韓国まで引率した意義は十分にあったと感じている。学生諸君にとっては、ソウルでの見聞と梨花女子大生との交流が、日韓の歴史や韓国の潜在的力を肌で感じるよい機会になったことは間違いなく、自身の現在と未来を考えるよい材料になってくれたと思う。